「おっ。やぁ、婦警。こんなところで会うなんて思わなかったな」
「その呼び方はやめろ。それはこっちのセリフなんだが……」
場所はベイサイドのゴミ処理場。
「影のヒーロー様がこんなところに何のようだい?」
「情報屋との待ち合わせだよ。……邪魔はしないでもらえるよね?」
「仕事を増やす気にはなれないな。……しかし」
「ん?」
「ボクも情報屋との接触でここに来たんだ。果たして、情報に聡い者がわざわざ場所を被らせるようなミスをするだろうか?」
「つまり――」
瞬間、飛鳥の視界の端にスコープの反射光が光る。
「チッ、待ち伏せだ!」
周囲を囲まれた状態で、浴びせかけられる銃撃。ガラクタの合間を縫って走る二人。
「なぁ!婦警!」
「その呼び方はやめろと言っただろ!」
「フフッ、ここは一つ共闘といかないか!」
「よくもヌケヌケと……ッ!」
アスカの義手が銃弾の一つをはじく。次第に包囲の輪は縮まっている。
「クッ……!」
「ハハッ、職務を全うして殉職者になりたいなら、そうすればいい!どうするんだ!」
「ボクは……」
ヒカルの間近に迫るグレネード弾が、着弾前に轟音を上げる。
「ルールに殺されるなんてのは、まっぴらごめんだね」
「いいぞッ!アスカ!」
「さっさと片付けるぞ、ヒカル!」
そこには、自らに課した法を貫く者が二人。背中合わせで闘っていた。