2021/2/4 01:38khntなとばっちり樹里ちゃん
 大人になったら。オトナになったら。おとなになったら。
 …あたしは『大人』になるまで何度その言葉を聞けばいいんですか、夏葉さん。
 まるで射抜かれてるように見つめられて、そんな言葉を投げられて…どうして我慢ができようか。
「我慢ができようか、って…」
「これでも!これでも我慢したのよ‼果穂が高校に上がるまで…‼それとも何⁉樹里は果穂にこんな事言われて我慢できるとでも⁉」
「アタシは果穂にんなこと言われる状況にはならねーよ‼」  
 スパーーーンッ‼と、小気味の良い音が響く。樹里に何かで頭を叩かれたようだけれど、音の割に痛みはなかった。
 音の割にはだ。普通に痛い。
 ちょっと二人で会う用事があって相談してみたらこれなのだから、相も変わらずこの同僚は私に対して容赦がない。
「大体我慢できなくてヤっちまったんなら今更アタシに相談も何もないんじゃねぇ?」
「そうね、えぇそうだわ。問題は今後なのよ、今後…」
「今後ぉ?」
「………このままだと、一生果穂に主導権を握られそうで…‼」 「お前が食われたほうかよ」
「あの子どこであんなテクニックを…」
「なぁもうアタシ帰っていいか?」
 樹里はそれから二時間後、流石に怒って帰ってしまったわ果穂。